「その日も窓を開けて、初夏の風をお部屋に入れてたんです。すると、お隣のベランダから、何だかヘンな声がして…」
最初は(猫が発情したのかしら)ぐらいに思っていた。しかし、聞けば聞くほど声の主は人間なのだ。
「アンアン、ヒィヒィって、猛烈なあえぎ声に加えて『ソコッ!』とか『もっと奥まで!』とか、平日の午後ですよ。いい大人がふしだらにもベランダで、ペタペタと身体を打ち付け合う音まで響かせて…」
お隣の夫婦が昼間っからベランダでセ◯クスを楽しんでいることに、疑いを挟む余地はなかった。
「確か、ご主人の方は私と同世代か少し年上、奥様は30代で少し若くて…正直、うらやましいなぁというのもありました。だってウチの夫婦ときたら、そういうことがあるの、月に1回くらいだし…」
アノ声がうるさいからといって、こちらが窓を閉めるのもシャクである。よって彼女は、お隣にクレームをつけに行ったのだった。
「ベランダでペタペタしてる真っ最中だからか、ピンポンを押してからご主人が玄関に現れるまで、少し時間がありました。その間、ああ言ってこう言って、とクレームを頭の中で整理してたんですが…」
隣のご主人が玄関に現れた途端、予定のフレーズはすべて彼女の頭から吹っ飛んで消えた。なぜなら…。
「隣のご主人、あろうことか腰にタオルを一枚巻いただけの姿だったんです。しかも、股間をテントみたいに、ビビーンと不自然に膨らませて…」
驚いたのは、その膨らみの大きさばかりではない。ご主人の口から、信じられない一言が飛び出したのだ。
「ご主人が底抜けの笑顔で『私たちは見ての通り、セ◯クスが大好きでしてね。どうですか奧さん、ご一緒に…?」ですって。そのスケベ夫婦ったら、私を3Pに誘ってきたんです!」
その時点でもう、さほど悪い気はしていなかったのは、佐和さんの表情を見れば明らか。実際3Pに挑んだかどうかは、聞かぬが花であろう。
http://wjn.jp/sp/article/detail/9644051/
>もっと奥まで
届いてないってことか